小児矯正とは?
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「小児矯正治療は、いつごろのタイミングで行えばよいのか?」「自分の子どもに合った治療方法を知りたい」費用も時間もかかる歯列矯正だからこそ、こういった疑問を抱えていらっしゃる方が多いです。小児矯正の目的や治療方法、早期に矯正を始めることのメリット・デメリットなどをお伝えします。
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小児矯正治療のゴールは?
小児矯正治療のゴール(目標)とは「永久歯が生え揃う前に、適切な咬み合わせを作るための土台を作る」ことです。発達段階のお子さんは顎や骨格の土台が整えやすく、早期にアプローチすれば成長にあわせて歯並びをコントロールすることが期待できます。一方で大人から始める歯列矯正ですと、すでに土台が完成されてしまっているため患者様の歯並びによってはかなりの負担が掛かってしまう場合があるのです。当院では、顎や骨格の成長度合いに加えて、お子さん自身に「どのくらい意欲があるのか」といったメンタル面も重要して治療計画を立てていきます。
主な矯正治療方法
小児矯正の治療方法は、大きくわけて2つの方法が挙げられます。
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Ⅰ期治療
この時期の主な目的は、永久歯がきれいに生えるスペースを作るための環境づくりです。一般的には矯正器具の取り扱いがスムーズに理解できる小学校低学年ごろから治療をおこないます。ただ、受け口(反対咬合)の場合などは、4,5歳ごろから始めるケースもあります。
主に使用する装置
- 上顎前方牽引装置
反対咬合のお子さんに使うフェイシャルマスクのような矯正装置です。口の中のフックとマスクについているフックの間にゴムを引っかけて、上の顎を前方に押し出し、反対に下の顎は後方に誘導します。 - 拡大床
歯が生えるスペース(床)が狭いお子さんに使用する矯正装置です。歯の並ぶ内側から力を加え顎の骨を押し拡げていきます。 - 斜面板
出っ歯(上顎前突)や深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)のケースなどに使用します。下の顎を前に誘導するために用いられる取り外し式の矯正装置です。 - プレオルソ
比較的軽度の歯列不正を治療できるマウスピース型の取り外し式矯正装置です。口呼吸や舌の位置などの癖を正し、口周りの筋肉のバランスを整えます。
- 上顎前方牽引装置
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Ⅱ期治療
本格的に歯そのものを動かしていき、きれいな歯並びに整えるのが目的です。永久歯が生え揃う12歳前後以降が対象の年齢になります。
主に使用する装置
- マルチブラケット装置
ブラケットとよばれる金属器具を歯に取りつけて、ワイヤーの力で歯を三次元的に矯正する方法です。
一般的には歯の表側に矯正器具を装着しますが、見た目が気になる方は「舌側矯正治療」といった歯の裏側に装着できるタイプもあります。 - マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)
取り外しができる透明なマウスピースを装着し、歯並びを整える方法です。取り外しができるため、食事や歯磨きは普段通りおこなえます。
特に当院ではマウスピース矯正であるインビザラインに強みがあります。2019年度の実績としては、マルチブラケット装置とマウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)の患者様の割合はおおよそ半々です。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
- マルチブラケット装置
子供のうちに矯正治療を
はじめるメリット
「お金や労力などの負担がかかっても、小さいころから矯正治療を始める意味はあるのだろうか?」と
思われる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
ただ早期に矯正治療をはじめるからこそ、得られるメリットは数多くあります。
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Merit1
顎の成長を助けるⅠ期治療であれば、成長途中の顎や骨格にアプローチできる矯正方法が選択できます。小児矯正の強みは、顎の成長を適切にコントロールすることにより、かみ合わせだけではなく顔立ちも整いやすくなることです。
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Merit2
将来的な抜歯のリスクが減る早い時期から顎を広げて永久歯のスペースを作ることにより、Ⅱ期治療に移行したときに歯を抜く可能性が少なくなります。
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Merit3
定期的な虫歯のチェックも可能小さいうちから矯正治療のために歯医者さんへ通うことになるので、虫歯の早期発見と治療につながります。
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Merit4
呼吸や滑舌、口、舌の使い方も見直せる軽度な歯列不正の場合であれば、そもそも特別な矯正装置が必要ない可能性があります。適切な舌や唇の筋肉の動かし方を覚えて習慣化することで、舌を前に出してしまうなど悪習癖がなくなり、結果的に歯並びが改善するケースもあります。
子供のうちに矯正治療を
はじめるデメリット
どのような治療方法であっても同様ですが、メリットがあればデメリットも同じように存在します。
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Demerit1
矯正期間が長くなる場合もあるⅠ期治療から矯正治療を始めた場合、そこで矯正治療が完了する方もいらっしゃいますが、顎の成長は15歳ごろまで続きます。
永久歯の生え方によっては更なる矯正治療が必要となり、お子さんによってはモチベーションの維持が難しいことがあります。 -
Demerit2
治療法によって虫歯のリスクがある固定式の矯正装置では、取り外しができないためにブラッシングがしづらく清掃不良になるケースがあります。
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Demerit3
本人の努力が必要「矯正器具の見た目が気になる」「取り外しができる装置のためマメな装着が必要」など、煩わしさにも負けないモチベーションの維持が必要です。
ぜひ一度ご相談ください
当院では「小児矯正治療の主役は子どもである」と考えています。歯列矯正は、なによりもお子さん自身の強い意志とモチベーションが必要となるからです。
治療に前向きではない方は、長期に渡っての治療は困難であると考えているため、お子さん自身が納得のいかないときは、無理に治療はすすめません。
「本人が歯並びを気にしているか」「なぜその装置が必要なのか?」といった説明は親御さんだけでなくお子さんに対しても、きちんと説明したのちに治療に入るよう努めています。また当院では矯正治療に加えて、歯並びを整えるために舌が正しい位置に収まっているのかの確認と習慣づけの指導・トレーニングをおこなっています。
歯列矯正は、歯並びの状態に合わせた適切な開始時期が重要です。まずは、当院のカウンセリングでお気軽にご相談ください。
料金について
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乳歯~混合歯列期
検査診断料¥27,500(税込) -
基本施術料¥385,000(税込)
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処置料月々¥3,300(税込)
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小児用マウスピース矯正 インビザライン
検査診断料¥27,500(税込) -
基本施術料¥495,000(税込)
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処置料月々¥3,300(税込)※Ⅰ期治療でマウスピースの場合、Ⅱ期治療もマウスピースとなります。
※治療期間:1~3年 通院回数:6~18回
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保定料
保定料¥16,500(税込) -
経過観察料月々¥3,300(税込)※保定料は矯正治療終了後の装置撤去料、検査料込みの金額です。
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小児矯正の
よくある質問
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Q.子供の頃に矯正を行って、大人になって歯並びが悪くなることはありますか?
小児で矯正治療を行ったのちに生え変わり終了までは管理しておかないと、後戻りと言って元の位置に戻っていくことはあります。
完全に元の位置まで戻ることはありませんが、お口の中の咬む癖や寝る時の姿勢、舌の位置によっても戻る量は変わってきます。 -
Q.矯正中に習い事や部活など制限などありますか?
治療をする我々から一番気になるのは吹奏楽で楽器を口にくわえて演奏する場合が少し心配です。
歯を移動させる力の阻害になる場合があるからです。あとはスポーツで接触プレーがあるものは装置によっては気を付けていただく必要があります。 -
Q.定期的な通院は子供だけでも大丈夫ですか?
もちろんお子さんだけでも大丈夫です。現状の患者さんでも、お子さんだけで来院され、親御さんがあとから電話にて処置内容について説明させていただいている方もいます。また経過のお写真を撮影してるので後日まとめて写真を見ていただく場合も多いです。
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Q.子供の矯正を始めるのに一番良いタイミングなどはありますか?
1.乳歯が完全に生えそろった時点で、受け口や出っ歯、左右にゆがみがないか。
2.上下の前歯が2本ずつ、もしくは4本ずつ生えた時点で異常があれば確実に始める時期になります。
この時点でほったらかしにするのはやめましょう。