癖による口の中の変化について ①
智治矯正歯科院長の吉田です。
8月に入り益々暑さが厳しくなってまいりました。皆さんはどうお過ごしでしょうか?
今回は、口の周りの癖による歯ならびの変化についてお話しします。
まずきれいな歯ならび、正常咬合と呼ばれる状態とは何か??です。
歯科医師の教科書からの抜粋ですが、
正常咬合とは、単に上下顎の歯の静的な接触関係だけでなく、下顎の機能的な運動とも関連した動的な概念として考慮する必要がある。すなわち、下顎の偏心運動によっても小臼歯や大臼歯に異常な咬頭の接触(干渉)がない状態が理想的と考えられる。
とされています。
また歯がその位置に保持される理由として、バクシネータメカニズムという機能的な考え方があります。
これは歯ならびを保持するために、内側からは舌の筋肉が押すのに対して、外側からは頬や唇などの筋肉が押すことで歯、すなわち歯ならびが維持されるというものです。(下の絵に示す)
↑バクシネーターメカニズムについて 歯科矯正学 医歯薬出版株式会社 より抜粋
歯は、唇と舌にサンドイッチされている状態で今ある位置に維持されているということです。
すなわち、
この関係が崩れてしまうような癖がある方が歯ならびに大きな影響を与えてしまうのです。
この中でも厄介なものの一つとして、指しゃぶりがあります!!
指しゃぶりを続けていると下の写真のように奥歯で噛んでも前歯が開いてしまう開咬や上顎前突と言われるいわゆる出っ歯の状態になってしまうことがあります。
↑歯科矯正学 医歯薬出版株式会社 より抜粋
指しゃぶりなどの癖による歯ならびを改善しようとする際には、まず原因となる癖をやめる必要があります。
そして口の周りの筋トレが必要な場合もあります!
癖を治すトレーニングや意識づけと並行して矯正装置を使用して良好な咬み合わせを確立していきます!
でも、なかなか指しゃぶりなどの癖を治すのは大変です。
例えば6歳のお子さんであれば、6年間その癖があったのであれば数日でキッパリやめる、というわけにはいきません。来院のたびにお話しして、お子さんが徐々に“できる・できた”を実感しながら進めていけば必ず治ると信じています!
矯正治療をしながらトレーニングも頑張って、一緒に治していくことを目指していただければ良いと思っています!
永久歯が生えてしまった後では、指しゃぶりをやめられたとしても歯ならびが改善しない場合もあります。時期や状態によっては早急に処置をしたほうがいい場合もあります。
お子様の歯ならびが気になるときにはご相談ください。現状を口の中の写真を撮影し、写真を見ながら説明させていただきます!
今日も朝から楽しく診療しております!
明日からはお盆休みに入らせていただきます!
智治矯正歯科
吉田智治