お口の中とメタボリックシンドロームの関係について
こんにちは。智治矯正歯科 歯科衛生士の寺西です😊
今回はお口の中とメタボリックシンドロームの関係についてお話したいと思います✨
【メタボリックシンドロームって何?】
脂質や糖質の多い食習慣、運動不足といった生活習慣を続けていると、徐々に内臓の周囲に内臓脂肪が蓄積していきます。過剰となった内臓脂肪からは炎症性物質などが放出されるようになり、その結果、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなり血糖値が下がりにくくなる)が引き起こされて血管の状態が悪化し、動脈硬化の危険因子となる糖尿病や脂質異常症、高血圧症などが重複して生じるようになります。こうした内臓脂肪型肥満をきっかけに動脈硬化のリスクが相乗的に高まっている状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。メタボリックシンドロームの診断基準は、内臓脂肪の蓄積の程度を見る「ウエストの周囲径」に加え、「血中脂質値」「血圧」「血糖値」のうち2つ以上が一定の数値を超えることが条件になります。
【どういう症状が現れるのか?】
メタボリックシンドロームは、それだけの状態であれば基本的には無症状です。しかし、放置すると糖尿病や脂質異常症、代謝性疾患や、高血圧症ほ発症してしまいます。また、それらを基盤として発症する冠動脈疾患(虚血性心疾患)、脳血管障害(脳卒中)などを引き起こす可能性が高くなります。つまり、重症化するまで自覚症状がないことが一番の危険であり、症状がない間にも動脈硬化は着々と進んでいるのです。
【メタボリックシンドロームの予防・改善】
メタボリックシンドロームは、心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化性疾患を引き起こす原因の集合体と言える状態です。早い段階からしっかりと予防や治療を行うことが大切であり、それには規則正しい生活習慣を身に着けることが第一です。普段から食事や喫煙をさけ、1週間に2回は汗をかくような運動をして、適正な体重維持に努めましょう。
【口腔ケアとメタボリックシンドローム】
メタボリックシンドロームと歯周病の関連性について疫学調査では久山町コホート研究で検討されています。それによると、メタボリックシンドロームの5つの判断基準のうち陽性項目が4つ以上の人は、陽性項目が全くない健常者に比べて歯周病のリスクが6.6倍に上昇していることが分かりました。歯周病原因菌の代表格であるグラム陰性菌は、その周囲が内毒素(細胞壁に存在する毒素)であるリポ多糖(LPS:lipopoly saccharide)で構成されているのですが、慢性的にLPSの血中濃度が高くなると、肝臓や脂肪組織に脂肪がつきやすくなり、インスリン抵抗性が上昇することが報告されています。 このほか、歯周病の人はメタボリックシンドロームになりやすく、悪化しやすいことも明らかになっており、歯周病とメタボリックシンドロームの関係は基礎・臨床研究の両側面から実証されてきています。
~歯周病菌に効く乳酸菌!?~
ロイテリ菌をご存じですか?ロイテリンという抗生物質を作り出し、口腔内の悪玉菌の発育を抑えるという働きがあるロイテリ菌という乳酸菌があります。他の常在菌には影響を与えず、歯周病菌を抑制する働きがあるという事です。ロイテリ菌を含むヨーグルトやタブレットも販売されています。善玉菌を定期的に摂取して菌バランスをコントロールしながら、しっかりと歯磨きやフロスしてお口の中のケアも行い歯周病を予防していきましょう。