
「Ⅰ期治療が終わったら、その後はどうなるの?」
お子さんの矯正治療を始めると、こんな疑問を持たれる方も多いと思います。
Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混ざっている時期に、成長や歯の生え変わりを利用しながら行う治療です。
では、歯を動かす治療がひと段落したら、そこで矯正治療は終了なのでしょうか?
実は、Ⅰ期治療が終わったあとも、お子さんの成長や永久歯への生え変わりを見ながら経過を確認していくことが大切です。
永久歯が揃ってきた段階で再検査を行い、その時のお口の状態を確認します。
その結果によって、経過観察となる場合とⅡ期治療へ進む場合があります。
今回は、Ⅰ期治療後にどのような流れで経過を見ていくのか、そしてⅡ期治療へ進むまでの流れについてご説明します。
CONTENTS
目次
Ⅰ期治療とは?
Ⅰ期治療とは、乳歯と永久歯が混ざっている時期に、お子さんの成長や歯の生え変わりを利用しながら行う矯正治療です。
これから生えてくる永久歯が、より良い位置に並びやすい環境を整えることが、Ⅰ期治療の大切な役割です。
具体的には、
- ●永久歯が生えてくるためのスペースを確保する
- ●あごの成長を利用して、歯並びやかみ合わせの土台を整える
- ●指しゃぶりや口呼吸など、歯並びに影響する習癖を改善する
- ●永久歯への生え変わりがスムーズに進むよう、お口の環境を整える
といったことを行います。
Ⅰ期治療は、いわば家を建てる前の「基礎づくり」のようなものです。
成長期のお子さんだからこそできる治療を行い、永久歯が生えてくるための環境を整えておくことが、将来の歯並びやかみ合わせにつながっていきます。
また、Ⅰ期治療には、現在の歯並びを整えるだけではなく、将来的な矯正治療の負担をできるだけ減らすことも目的の一つとしてあります。
例えば、成長期にあごの大きさや歯が生えるスペースを整えておくことで、将来的に歯を抜いて歯並びを整える「抜歯矯正」や、あごの骨格的な問題に対して外科的な処置を伴う「外科矯正」が必要となる可能性を減らすことにつながります。
もちろん、Ⅰ期治療を行ったからといって、すべてのお子さんが抜歯矯正や外科矯正を避けられるわけではありません。
お子さん一人ひとりの成長や骨格、歯並びの状態によって、その後に必要となる治療は異なります。
だからこそ、Ⅰ期治療は「ここで歯並びを完成させる治療」というよりも、
と考えることが大切です。
Ⅰ期治療が終わったら?
Ⅰ期治療で歯を動かす治療がひと段落したからといって、すぐに矯正治療がすべて終了するとは限りません。
Ⅰ期治療後に大切なこと
Ⅰ期治療のあとは、保定と経過観察を行います。
お子さんの場合は、この後も成長や永久歯への生え変わりが続いていくため、お口の中の変化を確認しながら経過を見ていくことが大切です。
保定とは?
「保定」とは、矯正治療によって整えた歯並びを安定させるための期間です。
矯正治療には、
歯を動かす「動的治療期間」
+
きれいに並んだ歯を維持する「保定期間」
があります。
歯は、矯正装置を外したあとに元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こることがあります。
そのため、Ⅰ期治療後も保定装置を使用しながら、歯並びの状態を確認していきます。
永久歯が揃ってきたら再検査
Ⅰ期治療後、しばらく経過を見て、永久歯が揃ってきたタイミングで再検査を行います。

ここで、現在のお口の状態を改めて確認します。
- ●永久歯の歯並び
- ●かみ合わせの状態
- ●Ⅰ期治療後の変化
- ●今後も治療が必要な部分があるか
などを確認し、その後の治療について考えていきます。
Ⅱ期治療が必要になる場合
再検査の結果、歯並びやかみ合わせなどに残っている問題がある場合には、Ⅱ期治療へ移行します。
Ⅱ期治療は、永久歯が揃ってきた「永久歯列期」に行う矯正治療です。
Ⅰ期治療で成長期のお口の環境を整えたうえで、Ⅱ期治療では永久歯の歯並びやかみ合わせを整えていきます。
Ⅰ期治療だけで終わる場合もある?
Ⅰ期治療後の状態は、お子さんによって異なります。
そのため、Ⅰ期治療を行った時点で、その後の治療がすべて決まるわけではありません。
永久歯が揃ってきた段階で再検査を行い、残っている問題があるかどうかを確認します。
残っている問題がなければ
経過観察後、管理終了となります。
問題が残っている場合
Ⅱ期治療へ移行します。
(マウスピース矯正、表側ワイヤー矯正、裏側ワイヤー矯正等)
基本的にはⅡ期治療が必要になるケースが多いため、Ⅰ期治療を始める際にも、その後の治療についてご説明しています。
「Ⅰ期治療をしたから、もう矯正は終わり」と考えるのではなく、永久歯が揃ってきた段階で、お口の状態を改めて確認することが大切です。
Ⅰ期からⅡ期までの流れ
問題がある場合:Ⅱ期治療へ移行
このように、お子さんの成長や歯の生え変わりに合わせて、その時期に必要な治療を行っていきます。

矯正治療は「歯が並んだら終わり」ではありません
矯正治療というと、「歯をきれいに並べたら終了」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、矯正治療には、歯を動かす期間だけでなく、きれいに並んだ歯を維持するための保定期間があります。
特にお子さんの場合は、Ⅰ期治療が終わったあとも成長や歯の生え変わりが続きます。
そのため、Ⅰ期治療後も経過を確認しながら、永久歯が揃ってきた段階でお口の状態を改めて確認することが大切です。
SUMMARY
まとめ
Ⅰ期治療の大切な役割
Ⅰ期治療は、今の歯並びを整えるだけでなく、
成長期のお子さんだからこそできる治療を行い、将来の歯並びやかみ合わせにつなげていくための治療でもあります。
また、将来的な抜歯矯正や外科矯正の可能性をできるだけ減らし、より良い治療につなげるためにも、成長期からお口の状態を確認していくことが大切です。
「Ⅰ期治療のあとはどうなるの?」
「Ⅱ期治療は必要なの?」
「将来的に抜歯が必要になるの?」
など、気になることがありましたら、診察の際にお気軽にご相談ください。
SUPERVISION
監修
医療法人 智治矯正歯科 院長 吉田智治
日本矯正歯科学会 認定医/歯学博士
日本矯正歯科学会 会員
九州矯正歯科学会 会員
日本顎変形症学会 会員
日本舌側矯正歯科学会 会員
アライナー矯正歯科研究会 会員
福岡歯科大学大学院歯学研究科にて矯正歯科学を学び、2016年に福岡市西区今宿で智治矯正歯科を開院。
子どもの矯正では、年齢だけで治療開始を判断するのではなく、お子さん本人の納得ややる気も大切にしながら診療を行っています。
参考情報・出典
本記事は、以下の公的機関・学会が公開している情報を参考に、智治矯正歯科での診療経験を踏まえて作成しています。
- 公益社団法人 日本矯正歯科学会
- 公益社団法人 日本小児歯科学会
- 公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
※治療の必要性や開始時期、治療方法は、歯並び・噛み合わせ・顎の成長などによって異なります。
実際の治療方針は、検査・診断のうえで個別にご説明します。
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